エンデュアランス号漂流 アーネスト・シャクルトン

求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の日々。絶えざる危険。

エンデュアランス号漂流 / アルフレッド ランシング 生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る。

1914年、英国冒険家 アーネスト・シャクルトンは、一風変わった募集広告を出した。

かつて南極点到達一番乗りを目指して二度の挑戦を行ったものの、アムンゼンらにその偉業を成し遂げられてしまった彼は、 南極大陸を犬ゾリで横断するという新たな夢に狙いを定め、隊員を募集したのである。

この驚くべき広告に五千人もの志願者が応募した。その中から選ばれたのは、わずか27名。
彼らは「不屈の精神で立ち向かう」という意味を持つ船、エンデュアランス号に乗り込み、意気揚々と旅立つ。

しかし、エンデュアランス号は氷に閉じ込められ、つぶされ沈没してしまう。
当時は、連絡する術もない。彼らは自ら脱出するよりない。
シャクルトン隊長以下、27名の隊員、54頭のハスキー犬は、 エンデュアランス号の救命ボート3隻とソリを引いて、積めるだけの食料と必需品を乗せて、 史上最悪の脱出が始まった。

漂う氷の上で5ヵ月を過ごした後、一行は救命ボートで氷の海へと乗り出した。
彼らは、寒さにふるえ、流氷と荒れ狂う波と戦いながら、無人のエレファント島へとたどり着いた。

しかし、この島では救助される見込みはない。

シャクルトンは、救援を求めるために隊員5名を連れて、1300km離れた捕鯨基地のあるサウス・ジョージア島に向けて出発した。
この世界で最も荒れ狂う海を、わずか6.7mの救命ボートで漕ぎ出した。
つづく

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